2016年6月にオープンした多治見市モザイクタイルミュージアム。
2017年2月には早くも、来館者数が10万人(!!)に達しました。当初の見込みに対して、4倍の方に訪れてもらっているそうです。
ミュージアム2階フロアにある、「何県からですか?」のアンケート(一部)を見ると、訪れる人は全国からです。(このアンケートは、ミュージアムの財産ですね)
モザイクタイルミュージアムに、行ってきました
そもそも、モザイクタイルとは?
この地のタイル産業は、大正時代から始まっています。そんな中、多治見市笠原町は戦後からタイル産業で賑わった町です。
モザイクタイルとは、表面積が50cm²以下の小ぶりなタイルのことを指します。多様な形を組み合わせてパターンを作りだすことができる建築物の装飾として活用されています。(モザイクタイルミュージアムパンフレットより)
モザイクタイルミュージアムでは、有志によって集められた貴重なタイル資料の展示や、最新のタイル情報を得ることができますよ。
建築家 藤森照信氏の設計・デザインがステキすぎです
実は地元の人たちは、(開館前)建築中のミュージアムを日々眺めながら、タイル張りでないその外観に不安を募らせていたそうです。(とある地元の方談)
「何だか、おおきな壁が出来上がってきたわ」
「エッジに沿って木が植えられているけれど、(我が家の?)お父さんの頭みたいだわ」
「外壁にタイルが貼ってないわ」
等々…。 タイルの町なのだから当然、タイル張りのミュージアムができるだろう、と思い込んでいたそうです。
それがいざ開館してみると、その外観に込められたコンセプトに納得し、また来館者数の多さに喜んでいるとのことです。(よかったですね)
見るほどに不思議でユニークな外観
ともすれば、青空バックにとてもメルヘンチックな外観です。実は、このフォルムは、タイルの原料を採掘する粘土山をイメージしているそうです。粘土山を採掘していった断面というわけです。だから、エッジに沿って木が植えられているわけですね。(煙突も可愛いです。)
よくよく見ると、壁にはタイルや陶器の破片が埋め込まれています。これって、粘土山に埋まる、(いづれ、タイルへと変身する)原石のお宝と想像しました。
壁面に埋め込まれた陶片は、リズミカルなアクセントになっています。
入口にたどり着くまでは、ゆるやかな下り坂です。これも、粘土を採掘していった景色なのだとか。
私、こういったコンセプトにしびれました。(地元の人が想像していたような)外壁にタイルが張っていなくとも、これ以上ないほどにタイルの町と産業をアピールしていると思いました。
まずは入場
入口を入って正面で入場料(大人300円、高校生以下無料)を支払います。その後は、4階まで一気に階段を上るのが順路です。(ご心配なく、エレベータもあります)
この階段がまたワクワクなのです。照明が抑えられているから、明るい4階に吸い寄せられるように、歩を進めます。その期待感で階段は難なく登れてしまうのです。実は、この空感は登り窯のイメージだそうです。(こんなところにも、焼き物との接点が組み込まれています!!)
4階フロアはコレクションの展示
照明が抑えられた階段から4階フロアへ入るとそこは、一変して白の空間です。まぶしいほどに白い解放感とその変化に、興奮度MAXになる私です。
床も、壁も全部、白のモザイクタイル貼りです。外光が差し込む解放空間。そして、子供たちが思わず駆け寄るモザイクタイルのオブジェもあります。
3階はギャラリー
ワンフロア降りるとそこでは、タイルの製造工程や、歴史が学べます。普段、目にすることのない職人技を産む道具類の展示には、興味深々でした。
時代を超えて美しいモザイクタイルの配色に惚れ惚れ…。
2階は最新タイル情報のフロア
2階フロアまで下りてきました。ここは、我が家を持とうと考えている人たちには勿論のこと、まだの人にも夢を持たせてしまう空間です。
「こんな素敵なタイルを使った空間に住みたい…」って。
1階にはミュージアムショップと体験工房
1階に降りてみると、体験工房は既にたくさんの人たちでにぎわっていました。
体験工房では、下の画像のような貼子体験(800円)ができるそうです。(出来上がりに、木のフレームは含みません。)
貼子体験は、1日1回、13:30~の時間制で要予約。所要約1時間。定員10名です。事前の電話予約が確実ですね。
ワンコイン工作(500円)は、小物にモザイクタイルを貼ってつくる工作です。色や形を自分で選んでオリジナル作品が作れますね。9:30~16:00。所要約30分。
作った作品はそのまま持ち帰りできます。こちらも大人気だそうです。
そして、お隣のミュージアムショップには、タイル詰め放題や、タイルのピアス(イヤリング)、ミュージアムの手ぬぐいなどが販売されていました。
まとめ
総じて、大人から子供まで、幅広い年齢の人が楽しめるミュージアムだと思いました。
ユニークな外観はもとより、光や色の使い方に、人の動線、人を魅了する仕掛けは、建築やスペースデザインを学ぶ人だけでなく、多くの人にとって興味深いと思います。
また、家にタイルを取り入れたいと思う人にとっても、有意義な情報を得られる場所だと思います。そして、そんなこと気にせずに来館した方も、「タイルが欲しい…」と思わずにはいられなくなるのではないでしょうか。
ミュージアム内がコンパクトに収まっているので、見ごたえがあるわりに疲労感が少ないのがいいところです。
そうそう、1階フロアのグレーと白の縞々にも注目ください。グレー部分は、コンクリートがむき出しになっています。当ミュージアムを設計した建築家の藤森照信氏は、木造建築を得意とするのですが今回、コンクリート構造に取り組んだ証を見せていると聞きました。
というわけで、見どころ満載のモザイクミュージアムです。
多治見・笠原町/モザイクタイルミュージアム近くには、陶ヶ丘公園があります
マルナカストアー(多治見市笠原町)の、笠ばら寿司、おにぎり、鶏もも肉唐揚げでピクニックしました
ウォーキングコース【No.15】笠原万治地蔵コースを歩きました
多治見市モザイクタイルミュージアム
住所:多治見市笠原町2082-5
TEL:0572-43-5101
開館時間:9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(休日の場合は翌平日)
※年末年始(12/29~1/3は休館)
※掲載した内容は、投稿時のものです。最新の情報はMOSAIC TILE MUSEUMで確認くださいね。