夜の観劇というのは、感動の余韻を残してその日の眠りにつくので、好きです。
仕事帰りの19:00(開演)。バロー文化ホールで、野村万作・萬斎 狂言の世界2017を楽しんできました。
場内では、写真撮影、録音、録画が禁止されていますから、この先、画像はなしです。ご了承ください。
狂言の世界を堪能しました
野村萬斎さんのおもてなし
上演時間が来ると、観客席から静かなどよめきが起こりました。何故って、舞台に野村萬斎さんが登場したからです。舞台映えする凛々しい姿です。そして、色白…。
その萬斎さんが狂言の解説をしてくれました。これがとっても面白く、またこの後に見る舞台の助けになりました。何しろ私、狂言を観るのは初めてです。
萬斎さんが、私たちの挙手の様子を見て、「見たことがある人より、初めての人のほうが多いかな」と言うように、狂言って日本の伝統芸能ですが、まだまだ知らない人が多いのでは、と思います。(私も含め…)
狂言とは
なにしろ狂言は、650年前の室町時代からある芸能です。平安・鎌倉時代の「猿楽(さるがく)」が、「能」と「狂言」に分かれたものです。そして、庶民の日常や説話を題材に、セリフのある喜劇が「狂言」です。現在、「能」と共に「狂言」は、ユネスコの「無形文化遺産」に登録されています。
そうそう。かなり昔、名古屋城横にある能楽堂に行った際、とても分かりやすいパネル展示で、能や狂言の解説があったことを思い出しました。興味のある方は、名古屋の能楽堂、オススメです。威厳とおごそかさを持った、素晴らしい能舞台があります。
何もない空間で演じて、そして戻っていく
萬斎さんもおっしゃっていたように、舞台には、大道具も小道具も、何もありません。照明や演目途中の音響効果もありません。
そんな何もない空間に出てきて、演じて、そして戻っていきます。なのに、面白い!! 萬斎さんの事前の解説があったことも助けとなり、十分に理解し楽しむことができました。そうなのです。狂言は、大いに笑える喜劇でした。
また、舞台に登場していても「座っている人は見ない」というルール。そして、エアの演技を感じて楽しむ。そういった、観客のイマジネーションをも借りて、そして観客と一体となるような芸能なんだなぁ、と感じました。それは、とても独特な世界で、伝統がむしろ新しい感覚を投げかけてくるようでした。
おでかけを楽しむ
もうひとつ、私をワクワクさせたこと。それは、着物の方が少なからずいらしたことです。
9月に入り、単衣の着物になったこと。そして、夜の(涼しい時間の)開演であったこと。もちろん、狂言という伝統芸能であったことも関係していたでしょう。
普段から着物を着ていらっしゃる方はいざ知らず、着物を着るというのは、お出かけを楽しんでいる心意気が見てとれて、とても素敵だと思います。ただ…、小紋に喪の帯(!?)と見紛う黒い帯をつけているお姉さんがいまして、ビックリしました。
それでも沢山の方、それも若い人たちが着物を着たなら素敵だと思います。というわけで、フル充電して帰宅したのでした。